ケアマネになって利用者さん家族とうまくいかなかったり、申請で間違えたりする度に自分には向いてない仕事だと思ってきました。では「ケアマネに向いている人」とはどういう人か、現役ケアマネも将来ケアマネを目指す人にも参考になるように、この記事では居宅ケアケアマネに向いている人の特性やスキルについて詳しく見ていきます。
ケアマネに向いている人の特徴
ケアマネ（介護支援専門員）は、高齢者や障がい者の生活を支えるための重要な役割を担っています。利用者のニーズに応じたケアプランを作成し、介護サービスの調整や提供を行う仕事です。本来の仕事はそれだけですが、家族の代理など介護サービスで補えない部分も行っているのが現実です。本来の業務に支障がないように割り切って仕事ができる人がケアマネに向いていると言えます。つぎは詳しく見ていきます。
ケアマネの特性
ケアマネは責任が重い仕事のため、ストレス耐性も求められます。利用者さんの状況変化に伴い対応も柔軟に変える必要があります。時にはどこから手を付けていいか分からないような状況に直面することもありますが、取り乱すことなく利用者さんにとって最善の選択を導き出すためには、高いストレス耐性が不可欠です。また、感情労働が多い職種であるため、自身のメンタルヘルスを管理する力も重要です。
ケアマネの向上心
介護保険の改正などケアマネは継続的な学びの姿勢が必要です。介護や医療の分野は日々進化しており、新しい知識や技術が次々と登場します。そのため、常に最新の情報をキャッチアップし、自己研鑽を怠らない姿勢が求められます。利用者に提供するサービスの質を向上させるためには、学び続ける意欲と向上心が欠かせません。
質の向上を求められるケアマネ
利用者さんの生活を支え、彼らの生活の質を向上させるために大きな貢献するためには高いコミュニケーション能力、強い共感力、計画力と調整力、ストレス耐性、そして自分に何が足りないかを考える継続的な学びの姿勢を持つ特性を備えた人になります。
必要なスキルと能力
まず、ケアマネには高いコミュニケーション能力が求められます。利用者さんのニーズや希望を正確に理解し、それを適切にサービス提供者に伝えることができる人が、優れたケアマネジャーと言えます。しかし、経験上新人ケアマネには難しい作業です。新人ケアマネは先輩ケアマネに助けてもらいながら成長していく期間を過ごすことが重要です。
共感力
ケアマネは高齢者や障がい者、その家族が抱える悩みや不安を理解し、寄り添うことができる心の温かさが重要です。利用者さんの生活の質を向上させるためには利用者一人ひとりの背景や状況を理解し、個別のニーズに応じたきめ細やかな対応が求められますが、ほどほどの距離感を持てるかが必要です。
業務内容と役割分担
ケアマネの業務は多岐にわたります。利用者のニーズを把握するためのアセスメントや、家族や医療機関との連絡調整、そしてケアプランの作成と定期的な見直しが基本的な業務です。利用者一人ひとりのケアプランを作成するために、多くの時間と労力を費やしています。これらの業務は欠かせない重要なプロセスですが、担当している利用者さん全体の業務を把握するバランス感覚が重要です。
デスクワーク
アセスメントから課題分析、ケアプラン、担当者会議録など書類作成などのデスクワークが多いことが挙げられます。これに加えて、利用者の状態や環境が変わるたびに迅速に対応する必要があるため、柔軟なスケジュール管理が求められます。さらに、利用者や家族からの相談やクレーム対応も日常的に行うため、精神的な負担も大きくなります。最低限必要な書類を早めに作成できることもケアマネに向いている要素です。
チームでの役割分担
新規相談がきたときなどは業務負担を軽減するためにチームでの話し合いが必要です。同じケアマネが次々と新規をこなすことがありますが、一人で全てを抱え込むのではなく、他のケアマネに仕事を任せることができるとチームとしての機能が働きます。利用者さんに提供するケアの質を向上させることが可能となります。チーム全体で協力し合い、効率的な業務遂行を目指すことがケアマネに向いていると言えます。所属ケアマネの健康維持にも繋がるでしょう。
ケアプラン作成と管理
ケアマネには計画力と調整力も不可欠です。毎月のモニタリングを確実に行うのは負担が大きいです。月の後半まで困難事例にかかりっきりでモニタリングしていない場合、さらに急な対応を迫られるとモニタリングの時間が取れない事態になります。計画的に更新の担当者会議や認定調査の立ち合いができることもケアマネには必要です。
ケアマネージャーとして備えるべき要素
長くケアマネをしているとなじみの認定調査員や医療関係者に伝えたいことが少しの時間で伝わることがあります。逆に嫌われていると簡単なことも時間がかかったり思わぬ方向に事態が進んでしまうこともあります。
コミュニケーション能力の重要性
ケアマネジャーにとって、コミュニケーション能力は非常に重要です。利用者やその家族、医療・介護スタッフとの円滑なコミュニケーションは、適切なケアプランの作成と実行に欠かせません。利用者さんや利用者家族さんと信頼関係を築くことで、質の高いケアを提供できます。ただ、すぐに信頼関係は築けないものです。焦らずにコミュニケーションを行えることも重要です。
介護知識と経験の必要性
ケアマネには、豊富な介護知識と実務経験が欠かせません。ケアマネ自身の評価にはなりませんが、介護保険法改正に対応できることも適切なケアプランを作成するための基盤となります。また、経験を通じて培われた判断力と洞察力が、利用者さんの生活の質を向上させるケアプランの作成に大いに役立ちます。
問題解決力と柔軟性
ケアマネにとって、問題解決力と柔軟性は非常に重要なスキルです。問題解決力を持つケアマネは、迅速に状況を分析し、最適な対応策を見つけ出すことができます。例えば、急に利用者さんの状態が大きく変化した場合でも、他の選択肢を探し出し利用者さんに適したプランを再構築する能力が求められます。また、柔軟性も不可欠です。多方面からサービスについて考えることで、利用者さんにとって最善のケアを提供することができます。これらのスキルを持つケアマネジャーは、利用者の生活の質を向上させるために大きな役割を果たせます。
ケアマネとしての適性診断
あなたは誰にとってのいいケアマネでしょうか。ケアマネジャーとしての適性診断は、自身の適性を確認し、効果的なキャリアパスを描くために重要です。
- 自分にいいケアマネ・・自分の事務手続きを優先にして利用者さんのニーズを無視しています。自分ではサクサクと仕事が進んでケアマネジメントできていると思っているが利用者さんからは要望を聞いてもらえないとクレームがきます。
- 系列のサービス事業所にいいケアマネ・・会社都合でうえから系列を優先して利用するように圧力がかかることがあります。
業界で活躍するための条件
ケアマネ業界で活躍するためには、いくつかの重要な条件があります。事業所内での活動のほか、近隣のケアマネのフォロー、地域包括支援センターへの協力など活躍の場は広くあります。自分の担当をケアし、その他にも活躍するには継続的な学びの姿勢を持ち、新しい知識や技術を取り入れることで、常に高い専門性を維持できます。
状況判断力
ケアマネにとって、状況判断力は不可欠なスキルです。利用者の状態や環境は常に変化し、迅速かつ的確な判断が求められます。例えば、利用者の健康状態が急変した場合、適切な医療機関の手配や緊急対応が必要です。状況判断力を持つケアマネは、問題を早期に察知し、最善の解決策を迅速に導き出すことができます。
ケアマネとしての将来性
ケアマネとしての将来性は明るい方向に向かっています。高齢化社会が進む中、介護ニーズはますます増加しており、専門的な知識とスキルを持つケアマネの需要は高まっています。さらに、介護分野では質の高いケアが求められており、ケアマネの役割は一層重要になります。時間とお金のかかる研修制度を見直しケアマネジメントに時間をかけられるように働きかけることが求められています。
転職を視野に入れる場合の考慮点
現在のケアマネ不足は収入の低さにも起因しています。社会がやっと動き始めています。
給与や働き方について
ケアマネの給与は、経験や地域、勤務先によって異なりますが、一般的には安定した収入を得ることができます。介護福祉士よりも低い収入がやっと世間に問題提起されました。介護保険制度の改定や介護ニーズの増加に伴い、給与の見直しも期待されます。リモートワークやIT技術の活用や効率的に業務をこなすことができる環境が整いつつあり、柔軟な働き方ができるように祈っています。
転職先での適応力と活躍方法
ケアマネが転職先で活躍するためには、適応力が不可欠です。パソコンのスキルも当然必要になります。新しい環境や組織文化に素早く馴染み、自らの専門知識と経験を活かすことが重要です。新しい介護サービスや技術の理解と導入に積極的に取り組むことが転職に有利です。
求人情報や転職サイトの活用
ケアマネの求人情報を探す際には転職サイトが便利です。また、業界専門の求人サイトや介護施設の公式ウェブサイトもチェックしましょう。求人情報だけでなく、転職エージェントのサポートも受けることで、自分に最適なキャリアパスを見つける手助けになります。
転職を考えている方はこちらからどうぞ。
医療や福祉におけるケアマネの役割
医療や福祉の知識があることはいいのですが、上手く多職種と連携することで介護保険中心の仕事ができます。
ケアマネと看護師の連携
ケアマネと医療職の連携は、利用者の総合的なケアを確保する上で極めて重要です。ケアマネは利用者のニーズを把握し、医療スタッフと連携して適切な医療サービスを提供します。ケアマネが利用者の日常生活での健康状態を把握し、医療スタッフに報告することで、早期の健康管理や予防措置を行います。この連携は、利用者の病状の把握や生活の質の向上に直結し、安全で効果的なケアを提供するために不可欠です。
家族や利用者との関係構築
ケアマネにとって家族さんや利用者さんとの関係構築は非常に重要です。まず、信頼関係を築くためには、真摯なコミュニケーションが欠かせません。利用者や家族の声に耳を傾け、彼らのニーズや希望を理解することが重要です。さらに、問題解決や情報提供を迅速かつ正確に行うことで、家族や利用者に安心感を与えることができます。このようにして築かれた良好な関係は、利用者の生活の質を向上させるために不可欠です。
介護保険制度との理解
ケアマネにとって、介護保険制度の理解は重要です。適切な介護サービスを受けられるようにします。ケアマネは利用者のニーズに応じてケアプランを作成し、介護保険の枠組み内で適切なサービスを提供します。ケアマネは算定要件や使えるサービスについての知識が不可欠です。わからないことは調べることで解決できます。
ケアマネに必要なリスク管理と処遇
ケアマネは常に間違いや精神的ストレスと隣り合わせです。
スケジュール管理とストレス対処法
ケアマネのスケジュール管理は正確さと柔軟性が求められます。日々の業務には、利用者さんとの面談、ケアプランの作成、医療機関との連絡調整などが含まれ、時間管理が鍵となります。ただ、丁寧すぎる仕事では多くの件数をこなせずストレスになります。ストレス対処法としては、定期的な休息や適切な運動、メンタルヘルスのケアが効果的です。
ノイローゼやワークライフバランス
ケアマネの仕事は、高い責任とストレスが伴うことがありますが、適切なワークライフバランスの確保が重要です。長時間の勤務や情報の多忙さがノイローゼを引き起こすリスクがあります。ワークライフバランスを維持するためには、定期的な休息や趣味の時間を確保し、ストレス解消に努めることが大切です。もし、体調が悪く仕事を続けることがむずかしい場合は休職することも視野に入れましょう。休職はこちらからどうぞ。
まとめ
ケアマネに向いている人を考えたとき、ケアマネは何でもできる万能選手みたいになります。やることが多すぎて毎日の業務に追われているだけになってます。できるケアマネはさらに担当件数を多く持ち走り回っています。そんな姿を見せていると未来のケアマネがいなくなってしまいます。高齢化したベテランケアマネがなんとか仕事を続けても時間に限りがあります。継続的にケアマネジメントを行う環境があることを祈っています。
