介護保険の軽微な変更について
週2回のデイサービスを利用する計画をたてましたが、1週間利用してご本人から週1回の利用にしたいと申し出がありました。軽微な変更として処理していいですか?
やっと担当者会議を終えたところに利用回数の変更、よくある光景です。軽微な変更としていいのかを調べてみると介護保険最新情報vol.959に詳しくでています。軽微な変更として処理して実地指導で間違っていると運営基準違反になってしまうので注意しましょう。以下はvol.959の軽微な変更の部分と市町村の取り扱い(Q&A)で参考になるものを入れておきます。
※事業所のある市町村で軽微な変更の取り扱いについての文書がある場合はそれの従ってください。
3 ケアプランの軽微な変更の内容について(ケアプランの作成)
「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年7月29日老企22号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(以下、「基準の解釈通知」という。)の「第Ⅱ 指摘居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」の「3 運営に関する基準」「(7)指定居宅介護支援の基本取扱方針及び具体的取扱方針」の「⑮居宅サービス計画の変更」において、居宅サービス計画を変更する際には、原則として、指定居宅介護支援等の事業及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚令38、以下「基準」という。)の第13条第3号から第11号までに規定されたケアプラン作成にあたっての一連の業務を行うことを規定している。
なお、「利用者の希望による軽微な変更(サービス提供日時の変更等)を行う場合には、この必要はないものとする。」としているところである。
サービス提供の曜日変更
利用者の体調不良や家族の都合などの臨時的、一時的なもので、単なる曜日、日付の変更のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
横須賀市のQ&A
Q. 利用者や家族の都合により、例えば3ヶ月限定など一時的に曜日を変更した際の対応は「軽微な変更」にあたるのか。
A. 「軽微な変更」に該当する。対応方法は、居宅介護支援経過(5表)に「軽微な変更」とした理由を記載するとともに、必要に応じて居宅サービス計画書(2表)・週間サービス計画書(3表)・サービス利用票(6表)・サービス利用票別表(7表)を修正すること。なお、居宅サービス計画書(1表)~(3表)の内容は変更しないが、利用者や家族の都合等により緊急に曜日を振り替えた場合などは、担当者と連絡を取り、居宅介護支援経過(5表)に曜日を振り替えた理由を記載するとともに、予定と実績の整合が図られていることを確認し、適切に給付管理を行うこと。(サービス利用票(6表)・サービス利用票別表(7表)を担当者に交付する必要はない。)Q. 利用者や家族の都合だが、継続的に曜日を変更するときは「軽微な変更」にあたるのか。
A. 利用者の状況に変化がなく、ニーズ、目標及びサービス内容等の変更も不要なとき、例えば、通院の曜日が変更になったときなど、利用者や家族の希望等により曜日を変更する場合は、期間にかかわらず「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。ただし、サービス提供の曜日変更に伴い、他のサービスへの影響等も考慮し、介護支援専門員が各担当者に周知した方がよいと判断する場合などについてサービス担当者会議の開催を制限するものではない。
サービス提供の回数変更
同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
大分市のQ&A
Q. 軽微な変更により、サービス提供の回数を 1 回から 2 回に変更した。その後、さらに1回増やして 3 回にすることを考えているが、軽微な変更に該当するか?(項目2)
A. 該当しない。2 回目以降の提供回数の増減変更は軽微な変更とは言えない。
利用者の住所変更
利用者の住所変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
横須賀市のQ&A
Q. 利用者の住所変更で「軽微な変更」に該当するものと該当しないものとは、どのような場合を指すのか。
A. 「軽微な変更」に該当する住所変更とは、利用者の居所と住民登録地が市内であって、利用者の居所は変更しないが住民登録だけ変更する場合が考えられる。一方、「軽微な変更」に該当しない住所変更とは、①居所が変わる場合、②他市町村から住民登録を異動し保険者が変わった場合の2通りが考えられる。
事業所の名称変更
単なる事業所の名称変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
目標期間の延長
単なる目標設定期間の延長を行う場合(ケアプラン上の目標設定(課題や期間)を変更する必要が無く、単に目標設定期間を延長する場合など)については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお、これらはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが異なる場合
福祉用具の同一種目における機能の変化を伴わない用具の変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
太宰府市Q&A
Q. 使っていた福祉用具が不必要になって、返却する場合もサービス担当者会議の開催が必要なのか。
A. 福祉用具の利用が不要になったということは状態像に何らかの変化があったと考えられるため、原則的には「軽微な変更」に該当せず、居宅サービス計画の変更に係る一連の手順を行う必要があります。(例.移動のために車イスとスロープを貸与していたが、介助による歩行が可能となり、車イスが不要になった場合は状態像の変化があったと考えられる。)なお、福祉用具が全て不要になった場合は、サービス担当者会議に召集する必要がある担当者は居宅サービス計画書(表)~(3表)の原案に位置付けられた担当者であるため、終了する福祉用具貸与事業所の担当者を召集する必要はありません。
目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更
目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更については、「軽微な変更」に配当する場合があるものと考えられる。
なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
大分市Q&A
Q. 現在利用中の通所介護事業所が通所介護から地域密着型通所介護にサービス種別が変わることになったが、軽微な変更に該当するか?
A. サービス種別が異なる事業所変更は軽微な変更と言えないが、お尋ねの場合(通所介護⇔地域
密着型通所介護)は例外的に認める。ただし、認知症対応型通所介護への変更は認めないため、取扱いには留意すること。
目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合
第一表の総合的な援助の方針や第二表の生活全般の解決すべき課題、目標、サービス種別等が変わらない範囲で、目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
横須賀市Q&A
Q. 通所介護で個別機能訓練しか行っておらず、入浴は実施していない方から、新たに「可能であるなら入浴もしたい」という希望が出たため、サービス内容を変更し、入浴を追加しようと考えている。既存の居宅サービス計画の内容から考えて、課題や目標を変更するほどの影響はないと判断できる場合は「軽微な変更」にあたるのか。
A. 利用者の希望によるもので、変更するサービス内容が本体サービスに付帯するものと考えられる場合には、「軽微な変更」に該当すると考えられる。例えば、質問のように通所介護で入浴を追加する場合、入浴設備を有している通所介護事業所であれば、入浴介助は、通所介護事業所が提供する必要な日常生活上の世話のうち、基本的に提供されるサービスの1つであると考えられるため、居宅サービス計画書(2表)に「入浴介助」と追加をするなどして利用者の希望による「軽微な変更」として取り扱って差し支えない。ただし、利用者の状況等から優先すべき新たな解決すべき課題として「衛生管理」や「清潔の保持」などがあると判断し、課題解決のために、入浴介助を追加して提供する場合は、「軽微な変更」として取り扱うのではなく、再度、一連の手順を行い居宅サービス計画を変更することが妥当と考える。
担当介護支援専門員の変更
契約している居宅介護支援事業所における担当介護支援専門員の変更(但し、新しい担当者が利用者はじめ各サービス担当者と面識を有していること。)のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお、これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第12号(担当者に対する個別サービス計画の提出依頼)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。
横須賀市Q&A
Q. 同事業所内で担当の介護支援専門員が変わった場合、やはり差し替えは必要か。
A. 居宅サービス計画書(2表)~(3表)に変更がないのであれば「軽微な変更」として取り扱って差し支えない。この場合、居宅サービス計画書(1表)の担当者を変更することになるので、新たな担当者に修正し、利用者の同意を得たうえで利用者及び担当者に交付する。
4 ケアプランの軽微な変更の内容について(サービス担当者会議)
基準の解釈通知のとおり、「軽微な変更」に該当するものであれば、例えばサービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。
しかしながら、例えば、ケアマネジャーがサービス事業所へ周知したほうが良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催することを制限するものではなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。
サービス利用回数の増減によるサービス担当者会議の必要性
単なるサービス利用回数の増減(同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減など)については、「軽微な変更」に該当する場合もあるものと考えられ、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。
しかしながら、例えば、ケアマネジャーがサービス事業所へ周知した方が良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催することを制限するものではなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。
ケアプランの軽微な変更に関するサービス担当者会議の全事業所招集の必要性
ケアプランの「軽微な変更」に該当するものであれば、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。
ただし、サービス担当者会議を開催する必要がある場合には、必ずしもケアプランに関わるすべての事業所を招集する必要はなく、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。
「利用者の状態に大きな変化が見られない」の取扱い
「利用者の状態に大きな変化が見られない」の取扱いについては、まずはモニタリングを踏まえ、サービス事業者間(担当者間)の合意が前提である。
その上で具体的には、「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号)の「課題分析標準項目(別添)」等のうち、例えば、
・ 「健康状態(既往歴、主傷病、病状、痛み等)」
・ 「ADL(寝返り、起き上がり、移乗、歩行、着衣、入浴、排泄等)」
・ 「IADL(調理、掃除、買い物、金銭管理、服薬状況等)」
・ 「日常の意思決定を行うための認知能力の程度」
・ 「意思の伝達、視力、聴力等のコミュニケーション」
・ 「社会との関わり(社会的活動への参加意欲、社会との関わりの変化、喪失感や孤独感等)」
・ 「排尿・排便(失禁の状況、排尿排泄後の後始末、コントロール方法、頻度など)」
・ 「褥瘡・皮膚の問題(褥瘡の程度、皮膚の清潔状況等)」
・ 「口腔衛生(歯・口腔内の状態や口腔衛生)」
・ 「食事摂取(栄養、食事回数、水分量等)」
・ 「行動・心理症状(BPSD)(妄想、誤認、幻覚、抑うつ、不眠、不安、攻撃的行動、不穏、焦燥、性的脱抑制、収集癖、叫声、泣き叫ぶ、無気力等)」
等を総合的に勘案し、判断すべきものである。
軽微な変更の手順
- 軽微な変更と判断
- ケアプランの該当する箇所を見え消しして変更する
- 変更した日、その理由を記載する
任意ですが原本を変更し、その写しを利用者及びサービス担当者等へ交付する - 支援経過に「軽微な変更」の理由を記載する
- 利用者・利用者家族に「軽微な変更」として処理することの同意を得て記録する
口頭の同意でも支援経過に記載する - サービス事業所にも変更内容を伝える
変更した日、変更した内容、サービス担当者へ変更の内容をいつ、どのように周知したかを記載する
※「軽微な変更」で処理できる場合でもケアマネジャーが必要であると判断したときはサービス担当者会議を開催します。
見え消しとは
「月曜・水曜」で水曜を見え消しすると
と二本線での訂正を行います。
軽微な変更の判断が間違っていた時
ほんとうに「軽微な変更」に該当した場合は、サービス担当者会議の開催は行わなくてもいいということです。ただし、勘違いでサービス担当者会議を開催する必要があったのに、開催しないで軽微な変更とした場合は、運営基準違反となり「介護報酬の返還、減算」や「運営基準減算」「特定事業所加算の全額返還」などの罰則が課せられます。「介護報酬の返還、減算」や「運営基準減算」「特定事業所加算の全額返還」は金額が大きいため事業所の存続にかかわることもあります。
まとめ
ケアマネジャーになってから、ひたすら根拠を求めて赤本・青本・ネット検索と今回のテーマは「軽微な変更」ですが、不安になっては調べ続けています。市町村によっても解釈が違うことがあるので、最終的には保険者にかくにんするというのが最終手段です。もちろん保険者に確認したときには確認した日時と相手の名前を控えておきます。もう少し簡単に判断できれば、時間が有効に使えると思います。Q&Aを出してくださっている市町村に感謝しています。